ロシアを支配した「黒い三権」とプーチン大統領
ロシアを支配した「黒い三権」の正体
いよいよ今回から有料版が始まった。登録してくれた読者の皆さんに対する深謝は満腔のものである。
前回は、登録読者限定の緊急配信として「5・9プーチン演説全文」をお送りした。ロシアはウクライナ侵攻を「戦争」とはしていない。ウクライナに住むロシア人の救助活動として進軍していると主張している。プーチン大統領の演説では、「正式な宣戦布告が行われる」「EU全土への侵攻を宣言する」「再び大量破壊兵器使用に言及する」など、さまざまな「期待混じり」の予告が成された。しかし全文を読めばわかるように宣戦布告どころか「何も言っていない」。
すなわち「沈黙」だ。
そこでメディアは「何もいえない」「ロシアの負け確」といった論調になった。だが暴力行使を厭わない人の「沈黙」は暴発の前兆だ。むしろ西側の警戒ステージは一つ上がったとみるべきだと私は考えている。
こういう時に安直に「答えを教えて欲しい」と思う人は、一生「豊かさ」にはたどり着けない。まずは基本。すなわち、前提の部分を理解しなければ、真意にはたどり着けない。もちろんインチキテレビ番組のように過度な先延ばしをするつもりはない。今回はかなり長いのでプーチン演説の深層については、次回に譲る。
日本では国際情勢を「対岸の火事」と見る傾向が強い。だが現在のガソリン価格、食品の高騰から自動車などの生産の遅れなど、「国際情勢」は皆さんの生活に強く影響している。
特にロシアによる「ウクライナ侵攻」ついては、その深刻さを理解している日本人があまりにも少ない、というのが私の印象だ。資源・エネルギーと食料の輸出大国「ロシア」に対する経済制裁によって、日本でも原油、天然ガスから小麦、蕎麦など広い分野で価格上昇が見られている。
日々の生活の圧迫ーーその苦痛から逃れたいためにが「戦争が終われば元に戻る」と思い込んでいる人があまりにも多い。だが、