「偽善」に満ちた環境政策によって「グリーンインフレーション」が発生した
需給バランスの破壊と「環境政策」でインフレが加速
前回は「金融規制の緩和がインフレを生む」構図と、「コロナが暴力である」こと。また新型コロナウイルスの「ワクチン開発」によって「ゼロコロナ」から「ウィズコロナ」へと転換し経済活動が再開するまでの流れを解説した。
しかし2022年のインフレは複合的な要因から深刻化している。最初に整理したいのが、前回書いた「金融緩和」を理由にしたインフレに、2021年に「需給バランスの崩壊」が加わったことだ。
開発されたワクチンは、2020年末から欧米を中心とした先進国にワクチンが猛烈な勢いで供給されることになった。
新興国がモノの生産を、先進国がモノの消費を行うのがグローバリズムの構造である。モノを作る新興国がコロナによって経済活動の停滞が持続している一方で、「ウィズコロナ」に移行した先進国では消費が回復する構図が生まれた。
こうして2021年には需要と供給のバランスが崩壊してしまうことになったのだ。供給が少なくなれば、当然、価格が高騰することになる。
もちろん「資源・エネルギー」も新興国で生産されているのだから、「金融緩和」と「先進国の経済活動再開」で「資源・エネルギー」が高騰していったのである。
世界の原油価格の指標となるのがニューヨークの原油先物WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)である。下図「WTI推移($/バレル)」を見れば、先進国が経済活動を回復するとともに石油価格が高騰していることがわかるだろう。

「世界銀行」のデータを元に作成