松本人志、文春を提訴で見えた「弁護士コメンテーター」の劣悪ぶりと、今後の展開
と2024年の年始から3回にわたってダウンタウン・松本人志氏を巡るセックス問題を扱ってきた。
2024年1月22日、松本氏の代理人が松本氏が所属する吉本興業を通じて、提訴を発表。名誉毀損請求訴訟の相手は「株式会社文藝春秋ほか1名」。松本氏個人が起こして、請求額は約5億5000万円であることが報じられた。
一連の顛末は、すでに書いた通りだが、全体を通じて私が気になったのが「弁護士」という肩書きを付けたコメンテーターの劣悪ぶりだ。
日が経つにつれて松本問題はテレビ番組でも取り上げられることになった。当初は完黙だったのに風向きが変わればすぐに変節する姿勢を責めるつもりはない。ジャニーズ問題も含めて、「掌返し」はテレビ・新聞の伝統芸能なのだから。
松本問題は「情報番組」を中心に扱われた。「情報番組」は「弁護士」をコメンテーターとして積極的に採用することが多い。社会性のようなものが加味されるからだ。ましてや「名誉毀損請求訴訟」が焦点になれば「弁護士」は説得力のあるツールになる。
ところで「○○というニュースについて『X』で批判が起こっている。一方で賛成する声もある」――この種のネットニュースに触れることは多いのではないか。
簡単に言えばニュースに対する一般人の反応をニュースにするという感想文以下のゴミ記事だ。コタツに入ったまま書ける毒にも薬にもならない記事ということで、ネットスラングで「コタツ記事」と呼ばれる。取材経費が安い上に、コメント欄が盛り上がりやすいので量産傾向にある。
実は情報番組の正体は「テレビ版コタツ記事」に過ぎない。ということで、その実像は「バカしか観ない劣悪なバラエティー」である。
ところが弁護士コメンテーターを採用することで、視聴者が「バカ番組を観ている」と自覚させない。それどころか、「幅広い知見を学んだ」と錯覚さえする。
例えれば「ダイエットできます」という宣伝文句が付されているジャンクフードだ。摂取の罪深さを意識させない。そんな言葉に誘引される層が「それなり」というのも似ている。
そこで今回は弁護士コメンテーターの発言を精査、請求額の評価をしていこう。その上で「ビートたけし×FRIDAY」を前例にして「松本VS週刊文春」闘争の未来、今後の展開を予測してみたい。得に大きな動きがない限り「松本問題」は今回で終了し政治・経済を中心に発信する、本来「猫組長POST」に戻る予定だ。