ポンコツ外相では抑止できない「ビジネス・マフィア 金正恩」の死の外交戦略

日本は2024年にG7議長国となるが、大役への「決意」を表明したのが、あの林芳正外務大臣だ。「諸課題に結束して取り組むべく、議論をリードしていきたい」と壮語した。しかし特定の権威主義国に対する「言葉だけの外交」は通じないのが、ロシアのウクライナ侵攻後の外交の現実だ。断言してもいいが林センセーの外交では中国どころか、北朝鮮の暴力は抑止できない。
猫組長 2022.11.06
サポートメンバー限定

「ウクライナ侵攻」後の外交とは

前回の『北朝鮮ミサイル乱射祭りの裏にある「武器即売」の思惑』では、北朝鮮のミサイル乱射祭りについて解説した。2022年10月31日から11月4日まで行われる予定だった米韓の大規模な軍事演習に対するけん制が主な目的とみられているが、その後、現在の外交のリアルを象徴する興味深い展開をみせる。

米韓の軍用機240機あまりが参加する大規模訓練に対抗した北朝鮮は、同年11月4日に多数の軍用機を北朝鮮空域で飛行させ空対地射撃演習などを実施。対する韓国軍は最新鋭戦闘機F‐35Aなど80機を出撃させ、威嚇した。

米韓は北朝鮮のミサイル乱射祭りに対して演習の延長を決定。同年11月5日には米軍がB-1ランサー爆撃機を投入。B-1ランサーは超低空を超音速で飛翔する能力を持ち、中東など実戦で大きな戦果を挙げた。

そこで北朝鮮は同日の11月5日午前11時32分ごろから59分ごろまでにかけて4発の弾道ミサイルを黄海に向けて発射する――。

米韓と北朝鮮は、朝鮮半島で「有事前提」のチキンレースを行ったということだ。『「覇権と暴力の等価交換」によって「世界の警察」になったアメリカ』などで、「外交は暗喩の応酬」であることを解説した。

2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻以降、西側と権威主義国との「暗喩」は「言葉」だけでなく「暴力」を伴う必要が生まれた。だから西側はウクライナに「軍事物資」「情報」などの暴力を提供したのだ。

朝鮮半島で行われた「有事前提」の一食即発の暴力の応酬こそが、現在の権威主義国との「外交」のリアルである。すなわち外交と安全保障を連動させなければ、権威主義国を抑止することはできなくなったということだ。

「暴力」が不可欠だからこそ、最も必要なのは冷静に「敵の能力」を評価することである。北朝鮮のトップ、金正恩総書記は「感情的な暴虐者」とみられる傾向が強い。だが経歴を整理すれば、私にはエリート出身のビジネス・マフィアという像しか浮かばない。経済制裁を逆手にとって、地球上に残された「核開発の楽園」となり今日まで生き残っているのだから、その手腕を認めなければならない。

そこで今回は、金正恩氏の評価と導き出される「黒い戦略」について解説する。まずは林芳正外務大臣のポンコツぶりから整理していこう。

北朝鮮どころか韓国にナメられまくる

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、3957文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

サポートメンバー限定
小泉進次郎「ぼくのそうさいせん」全文に隠された「巨大利権」と「痛みを伴...
サポートメンバー限定
バカを騙すか、利口を味方にするのか――「自民総裁選」を読み解くキーワー...
サポートメンバー限定
「コバホーク」突発ゴリ押しに私が感じた「怪しさ」の正体
サポートメンバー限定
改選前年に「トレンド」常在 「虚栄厨」和田政宗を楽しむ傾向と対策
サポートメンバー限定
多様性幻想ゴリ押し「パリ五輪」の裏で深刻化するアメリカ「新南北戦争」の...
サポートメンバー限定
「バカがバカを選ぶ」カマラ・ハリスの選挙キャンペーンが始まった 「もし...
サポートメンバー限定
退陣目前の感謝状 岸田総理、日本をガイジンだらけの三等国家にしていただ...
誰でも
ドナルド・トランプ暗殺未遂 一発の銃弾が起こした「暴力の世界再編」