高市早苗に託された「安倍外交・安全保障」の正体
希代のポンコツによるリレー
前回の『ポンコツ外相の内閣残留が示した「安倍外交の継承」』では、多くの有権者が不安視する林芳正氏の外務大臣留任の意味について解説した。安倍政権と岸田政権では「政策決定」のプロセスが違うということだ。
BSフジ「プライムニュース」は時事にマッチした良質なゲストを呼び、反町理氏が鋭く切り込む数少ないお気に入り番組の一つだ。ところが2022年8月22日は『台湾と中国、ロシアの天然ガス、徴用工問題』という重要なテーマにもかかわらず『林外相・岡田元外相に問う』とされていたことに衝撃を覚えた。
実は岡田克也氏は民主党内で「オカジョンイルさま」と陰口をたたかれていたのだ。前後半にわけて「記憶に残らないポンコツ」岡田氏から「希代のポンコツ」林氏へのリレーを敢行した背景に、「北朝鮮に対するコロナ支援を訴えた林氏と、『オカジョンイル』をかけたのでは…」とうがった見方をしたのは私だけだろうか。
だが、ここは慰安婦像の前で土下座をした鳩山由紀夫氏をぶつけるべきだ。「朝鮮半島友愛コンビ」結成を大々的に宣伝した方が、ある意味で時流にマッチした企画だったはずだ。「プライムニュース」ファンの一人として、企画書を送り付けようと思ったしだいである。
さて、ポンコツの話はここまでにして本題に戻ろう。安倍元総理の政治家としての真骨頂が「外交・安全保障」であることを認識している人は多い。一方で、例えば『「安倍晋三元総理」銃撃で分かった功績と存在感』で解説した「FOIP(ホイップ)」のように、その「外交・安全保障」を構造的に理解している人は少ない。
「安倍外交・安全保障」の深層を紐解くと、内閣のある人物が外交のキーになることが導き出せる。その人物こそ、高市早苗氏だ。ただし高市氏に期待されるミッションの難易度は極めて高い。
官邸HPより
今回はふんだんな図版を用いて、それらを解説していこう。