外国人犯罪のトップに「グエン」が躍り出た闇理由
ノーガードでグローバリズムを受け入れる日本
前回の『マイナンバーカードの拒絶者を見たら泥棒としか思えない私がいる』では健康保険証がマイナンバーカードと紐付けられることで「困る人たち」がいることを書いた。このことがグローバリズムに対する外国人犯罪への安全保障が問題の本質である、と指摘するメディアはない。
総務省
2022年10月11日から日本政府は「水際規制」を大幅緩和した。脱・コロナ禍に向け本格稼働が始まったということで、再びグローバリズムの波が押し寄せてくるということだ。コロナ禍以前の状況に戻すということは、外国人犯罪もコロナ禍前の状況に戻るということである。
新型コロナウイルスはグローバリズムによって感染拡大した。外国人犯罪もまた、グローバリズムの問題だ。私は著書を通じて「コロナは終わらない」ことを主張し続けているのはグローバリズムが終わらないからだ。ゆえに中国以外の国は「ゼロコロナ」ではなく「ウィズコロナ」を選んだのである。したがって外国人犯罪の問題も終わらない。
愛知県警HPより
一方で日本はグローバリズムを受け入れながら、それに対する安全保障をまったくしない希有な国である。「特許出願非公開制度」いわゆる「秘密特許」を法整備せずにグローバリズムに突入。独自技術は持ち出され放題になっていたのがその顕著な例だ。
「秘密特許」は2022年5月11日に成立した「経済安全保障推進法」でようやく整備された。2000年にグローバリズムが本格化したとして実に22年、1990年から開始したとして実に32年も外国に技術をプレゼントしていたのだ。
「おめでたい」としかいいようがない。
「国際社会が」「アメリカが」「ドイツは」と、何かにつけ「外国」を持ち出して日本を「欠点だらけの国」として批判し続けてきた「自称・国際人」たちがいる。しかしこうした「自称・国際人」がグローバリズムに対する安全保障の未整備問題を指摘しているのを聞いたことがない。海外は開放と安全保障をセットにしているが、それこそ「国際社会の常識」だ。
生産性の「輸入」と社会コストのバランス
日本の警察に暴力団を専門に取り締まるセクション「4課」が創設されたのは、実に1950年代。その後、組織は名称を変え警視庁では2022年4月から「暴力団対策課」になっている。だがその新組織がターゲットとする「暴力団」は1991年のピークから、2022年には約4分の1にまで弱体化しているのだ。
代わって台頭してきたのが「半グレ」や「不良外国人」である。
犯罪組織の捜査には組織構成、所在地などが必要だ。だが「半グレ」や「外国人犯罪者」は、「暴力団」と違って「名簿」を作って代紋を掲げるほど「新設な組織」ではなく、模糊としたグループだ。この問題は「技能実習生」として「労働力」を輸入し続けるので、「終わらない」のである。
弱体化した「暴力団」のためにわざわざ組織を新設するならば、今後も持続敵に拡大することが確実な新たな反社会的勢力への対応に向けて警察力を整備することの方が合理的とであることは言うまでもない。
警察庁公式Twitterより
メディアが報じる外国人犯罪で容疑者の名前が「グエン」ばかりになっていることに気がついている人がどれほどいるだろうか。また一部のベトナム人技能実習生が赤いメディアを利用して日本の労働環境の劣悪性を訴える事態も頻発している。
この問題については、すでに2019年に刊行した『暴力が支配する一触即発の世界経済』(ビジネス社)で書いていて、それが2022年に具現化したということだ。
誤解のないように言えば、私は外国人を敵視するつもりはない。日本人にも好意的な人物と好ましからざる人物がいるように、個人としての外国人に対する評価はさまざまだ。
一方で、私が問題と考えているのは労働力の輸入によって得られる経済収益と、安全保障に対する社会コストのバランスである。そこで今回は外国人犯罪傾向の背景にある「ヤバすぎるリアル」を、多くの図表を使って解説する。