岸田改造内閣の「新原子力政策」とは
「聞く力」を発揮してはならない相手
メディアは変わらず「壺報道」に血道を上げ、極々少数の人たちが熱狂している。かつてみうらじゅん氏は「暴走族という名称がかっこよいのでなくならない」と指摘。結果、「珍走団」というネットスラングが生まれることになった。このロジックで言えば「サイレントマジョリティ」という言い方もかっこ良すぎる。このさい「珍声団」くらいにした方がいいと思うのだが…。
前回の『ペロシ訪台危機「台湾有事は日本の有事」安倍元総理の真意』ではペロシ米下院議長の訪台によって日本に突きつけられた国防安全保障の問題点。さらに価値観を同じくしない第三国に発電を委ねるエネルギー安全保障の問題を解説した。
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2つの「安全保障」に共通するのは、コストという経済合理性と安全保障が必ずしも両立しない現実である。
2022年8月10日、岸田政権が改造を行う模様だ。統一教会報道と安倍元総理の国葬によって生じた批判に対応するために「改造の前倒し」を行ったことが報じられている。「聞く力」は岸田総理の「売り」だが、極少数の「珍声団」の「雑音」まで聞くことは「危険なポピュリズム」への転落への一歩だ。参院選を圧勝した今こそ岸田政権はすでに信任を得ているのだから、堂々と「王道の政治」を行うべきだと私は考えている。
首相官邸HPより
今こそ思い出して欲しいのはあれだけメディアや反安倍カルト教祖、信者に不当なレッテルを貼られてバッシングされた第二次安倍政権だ。ところが第二次安倍政権は、すべての選挙に勝利して長期政権を実現した。その理由は「王道の政治」と「丁寧な説明」があったからだ。大勢の日本の一般有権者はバカではない。「実績」が投票行動に反映されたとしか思えない。
そう考える根拠の一つが、あの「反安倍無罪」を掲げる朝日新聞が2022年9月3日に掲載した世論調査である。安倍元総理の辞任発表後調査が行われ、安倍政権を「評価する」と答えた人は71%もいたのだ。
岸田政権が行うべき「王道の政治」とは堂々と安倍元総理の国葬を行い、自民党結党以来の党是である憲法改正を発議すること。その上で、①エネルギー安全保障、②外交・国防安全保障、③食料安全保障に取り組むことだと私は考えている。ウクライナ戦争と台湾海峡危機によって、対応には「喫緊」が求められているが、実はそれこそがインフレを含めた経済対策でもあるからだ。
そこで今回は予告通り岸田政権が進めるであろう新たな原発政策について考えて行きたい。特に私が注目しているのは2022年5月27日の衆院予算委員会での岸田総理の発言だ。そこから見えてくる岸田政権のエネルギー政策の「柱」が何かを導き出してみたい。