6・27「電力需給逼迫注意報」とは自民党エネルギー政策の「失敗宣言」である
節電協力をすることの意味
前回まで「講座」と題して5回に渡って「投資」について、国際政治、地下経済などを織り交ぜて多角的に解説した。今回は、その総括として「常識の投資」を解説する予定だった。
が、急遽、変更する。
2022年6月27日には関東・甲信越が梅雨明けとなった。前日の同月26日には経済産業省が「電力需給逼迫注意報」を発令、さらに翌27日には「警報」への切り上げにも言及したからだ。
私は「電力逼迫」による「節電要請」に強く抗議する。あたかも省庁が事前に注意報を出して対応し、自身も被害者であるかのように振る舞っている。しかし、これは、あの菅直人氏の悪夢を断ち切れなかった自民党の「エネルギー安全保障政策」の失敗に他ならない。
また前回の「その5」では、岸田政権がエネルギー不足を増産ではなく「節約」で解決しようとしている姿勢を批判した。さらに「円安」が日本経済にとってチャンスだと主張した。そのチャンスをチャンスにできるカギもエネルギーである。
国家存亡の危機が、ないがしろにされているということで、今回は日本の「エネルギー問題」について解説をしたい。
国家が市民から税金を徴収し、国家が市民「安全保障」を提供する――これが17世紀の哲学者・ホッブス以来の近代国家と市民の関係だ。
(ホッブスの「リヴァイアサン」)