繰り返される「新時代の幕開け」 韓国との関係に必要な「リスク共有」
韓国と付き合なければならないリスク
前回の『広島サミット「招待国」から導き出すG7の中国・ロシア分断の本気度』では、国際社会が「G7=西側」、「中国・ロシア=東側」の分断のまっただ中にあることを解説した。
今回はその後編だが、テーマは「韓国」だ。この招待の裏側には前回解説した安全保障だけではなく、「半導体」という経済安全保障の意味がある。ゆえに日本経済に直結する問題を提起していると私は思う。
岸田文雄総理が訪韓したことで日韓間ではトップ同士が相互に相手国を訪問する「シャトル外交」が15年ぶりに復活する。
複雑な気持ちを抱える人も多いことは容易に想像できるが、私たちは再び韓国と付き合わなければならなくなってしまったのが現実だ。
この雪解けの中で発表されたのが、サムスン電子が日本に半導体の開発拠点を設置だ。「共同開発」などが謳われ、日韓関係良化の喜びを共有する意図を感じるのは私だけだろうか。しかし韓国は日本に対して、
①政権によって反日に変わる
②日本独自の技術は盗んでもかまわない
③公平・平等という概念はなく、常に「出し抜く」ことを考えている
国だ。ただし、これは批判や非難することではなく、韓国固有の文化である。ゆえに日本は「韓国リスク」を共有して対応しなければならない。
投資を考えても日本人は「リスク分散」を好む一方で、「リスク共有」を避ける傾向が強い。G7招待国によるデカップリングの後編として、韓国という「リスク」について整理していこう。