第三期習王朝の始まりで日本は新たな移民時代に突入する
中国から国外逃亡する若者たち
前回の『外国人犯罪のトップに「グエン」が躍り出た闇理由』では1993年以降一貫して国別外国人犯罪者で「首位」を独走し続けたにかわって、2019年からベトナムがトップになっていることを解説した。逆転の背景にあるのは2017年11月に施行された「技能実習法」だ。
なぜ「移民」について「今」書く必要性があるのか、わからない人も多くいるだろう。それは日本人と外国人との関係が新時代へと進むからである。その大きな理由は中国だ。
2022年10月22日に中国で5年に1度開催される中国共産党大会が閉幕した。総書記となった習近平氏は、国家主席3期目を確実にしている。第三期習近平体制は、李克強氏など外交政策も含めて融和派を一掃した。
現在の権威主義体制をますます強化していくのは確実だ。江沢民派から「くまのプーさん」とからかわれた人物は、その屈辱を権力欲に転化。毛沢東時代どころか皇帝時代に還るだろう。
「自由」は一度味わうとなかなか捨てることができない。私が二度とヤクザに戻ろうと思わない大きな理由の1つも「自由」だ。中国では自由を求める16~24歳の「若年層」の失業率が19.9%(2022年7月時点)と、過去最高の水準に達している。5人に1人が失業しているのだ。
常識的に考えれば、中国若年層が「自由」と「労働」を求めて海外に出る可能性は高い。
中国政府は2020年に日本の国勢調査に当たる「全国人口センサス」が実施した。15-59歳の生産年齢人口は約8億9438万人である。このうちの1%が国外逃亡をしたとしても約900万人になるのだ。
「9・27追悼 安倍晋三は死してなお日本の領土・領海を守っている」などでも指摘しているが、習近平氏は台湾を本気で奪おうとしている。2022年10月19日に、アメリカ海軍制服組のトップ、マイク・ギルデイ米海軍作戦部長は台湾侵攻について、「(従来予想の)2027年ではなく、私の中では22年、あるいは23年の可能性もあると思っている」とした。
この時、避難民の受け入れ先は「日本」だ。難民に紛れて工作員、スパイなどが入らないようにスクリーニングの整備は喫緊の課題になっているのである。
日本は「移民新時代」を迎えようとしているのだ。少子高齢化の日本にあって、外因による強制的な社会構造の転換が起こる可能性は高い。
現在、「ヒト」を輸入した際に頻発している2つの問題である。1つは不当労働に対する訴訟。もう1つは犯罪だ。この問題は「移民新時代」にますます拡大するだろう。先に起こるであろう問題に対して、今から準備をすることこそ生き残るカギであることは言うまでもない。
そこで今回も「移民問題」について、さらに解説する。
来日外国人を暗黒街の住民にリクルートする人物の正体
入国するすべての外国人がはじめから日本に不満を持っているわけではないし、犯罪者であるはずがない。すでに日本国内には「善良な外国人」に訴訟技術や犯罪を教える「コーチングシステム」ができあがっている。
2020年の検察庁が新規に受理した在留外国人犯罪を国別にまとめたのが、前回掲載した下図「来日外国人被疑事件 検察庁新規受理人員の地域・国籍別構成比」だ。
犯罪白書より
ベトナム人・中国人がツートップとなっているが、大半が善良であるはずの外国人を「暗黒街」にリクルートするのは誰なのか――。