習王朝第三期が明らかにした「武力不保持=平和」の幻想
「赤いビジネス」と「死の商人」の相似点
前回の『辺野古基地建設反対運動の背後にあるオール沖縄「黒い利権構造」の正体』では、「沖縄」が地政学的に「戦地リスク」から逃れられないこと。そのリスクとの等価交換としてさまざまな優遇措置が取られていることを導き出した。
防衛省HPより
沖縄を舞台に反体制活動に邁進されている極々一部の人たちは、自分たちの活動を批判されると「沖縄は悲劇の地」という「感傷劇場」を前面に押し立てて反論を「なし」にしてきた。だが前回のように整理していけば、地政学的に「戦地」から逃れられない土地に居住するリスクと各種優遇は「等価交換」の関係である。
日本国憲法では移動の自由が認められているので、常在する戦争リスクを避けたいなら「移動」するしかない。同時に「沖縄は優遇されているので多少のことは我慢するべきだ」という批判もナンセンスだ。もし優遇を受けたければ、沖縄に移動すれば済むだけの話である。
問題は、沖縄リスクとの等価交換レートを「問題を炎上」させることで釣り上げて私腹を肥やす人たちだ。赤い活動家、政治家、メディアの「オール沖縄」体制で「戦争反対」を合い言葉に、戦争という「暴力インフラ事業」を使っていることは批判されて当然だと私は思う。
私が会ってきた「死の商人」の経済モデルと同じにしか見えないが…。
2016年に尖閣侵略の「宣戦」は行われていた
このオール沖縄の赤い戦争ビジネスは、中国の侵略に対するリアリティがないからこそ成立している。ところが侵略はリスクからリアルへと転換した。というのは、第三期国習体制が「集団指導体制」から「習王朝制」へと転換したからだ。
2022年10月29日には、すでに2016年から習近平氏が南シナ海や尖閣諸島の支配を「われわれの世代の歴史的重責」と発言していることが明らかになった。すでに体制内では「宣戦」されていたということだ。
これまで日本では「武力を放棄すれば、相手も放棄する」という性善説を基にした認識が共有されていた。だが、中国は相手が一歩引けば万歩単位で踏み込んで来る。南シナ海を戦わずに手に入れ、香港を手中に収めたたのがその証左だ。
「武力不保持」による「平和実現」は、団塊世代を中心とした老人達の「幻想」に過ぎなかったことが明らかになったのである。そこで今回は、習王朝が日本侵略に向かう「リアル」を導き出す。
戦争の勝敗は暴力を衝突させるのではなく、相互が保有するリソースの削り合いで決まる。合理的に考えれば「その時」には中国だけではなく、いまや弟分になったロシア、子飼いのチンピラの北朝鮮と連動して仕掛けてくるということだ。
権威主義か、民主主義か…
ここ数日、日本の新たな国防構想についての報道が行われている。五月雨式なので全体像が把握しづらいが、まとめた時に見えてくる日本の戦略とは――まずはコロナ禍が提示した権威主義の優位性から整理していきたい。