日本にとって都知事選よりイラン大統領選が重要なこれだけの理由
バカがバカからバカを選ぶ
前回の『「都民セカンド」VS「都民ファシスト」の都知事選が示す政界の近未来』では、改憲を軸に政界が分かれることを予測した。とはいえ都知事選の現状を見るとため息しか出ない人が大半なのではないか。
ネットの発信力をマネーに転換できる時代にあって、供託金300万円を出資して得られる影響力を「商材」にして多数の候補者を擁立したのがN党・立花孝志氏である。
あえて愚行を犯すことで、旧態依然の政治制度の「愚かさ」をシニカルに批判するのが目的のようだが、嫌悪感が強すぎてその主張が正しく伝わっているかは疑問だ。
それでも、絵に描いたような共産党員が駅前でチラシを撒いている元謝蓮舫こと蓮舫氏の「エア離党」の愚かさに比べれば、まだマシなのかも知れない。こうして2024年の東京都知事選は「バカの中からバカがバカを選ぶ」という惨状に堕している。
このアナーキーな地合をもっとも得意とするのが現職、小池百合子氏だ。
実際に無策の女王・小池氏がまともにみえる錯覚を起こしかねないほどだ。「バカの1人」にならないための唯一の方法が投票だと私は思う。何も考えずに投じた1票より、きちんと考えて投じた1票には意味がある。
たとえ投票先が小池氏でも、自分なりの意図を持って投じた1票はまったく重みが違う。そうした「意図ある投票行動」が未来の皆さん自身の生活を作ることに直結するのだから、必ず投票に行って欲しい。
ロシアが経済成長を遂げている
永田町では9月の自民党総裁選に向けて動きが加速化している。不気味なのはいち早く出馬の意向を固めた河野太郎氏だ。たとえ自民が下野して連立の一角になったとしても政治を知りすぎたリベラル・媚中派の総裁就任は、日本にとっての危機である。
だからこそ私は小泉進次郎総裁を推す。政策の実行能力など求めてはいないので、ただサーフィンだけやっていて欲しい。神輿は軽い方がいいというが、この超軽量級どころか羽毛級トップこそ、連立時代の自民党にふさわしいのではないか。
さて日本政界の惨状をよそに、ロシアは異様な状況になっている。ウクライナ侵攻をきっかけにロシアには強力な経済制裁が科せられた。ところが2024年、ロシアはイギリス、フランス、ドイツを上回る経済成長を実現し、空前の好景気に沸いているのだ。
そもそもこのことをご存じだろうか。背景には、世界には新たな経済圏が構築されてしまったことが大きい。
これまでの「欧米からの離反=経済の死」だった方程式が成立しなくなったのだ。その新経済圏を構成している国が中国、ロシア、北朝鮮、イランである。この「新枢軸国」は経済だけではなく、軍事面も合わせた包括的な連携を深めている。特にロシアと北朝鮮は準軍事同盟ともいえる協定を締結した。
黒い商取引の背後でロシアン・マフィアが動いていることは言うまでもない。
このうちの3カ国に接している、「新枢軸国」と価値観の違う国が日本、そして韓国である。韓国では核武装論が議論されるようになった。政権によって親日・反日が入れ替わる韓国の「核武装」は日本にとってリスク以外のなにものでもない。
岸田総理のメガネが曇っている間にも、列島周辺のパワーが大きく動こうとしている。今回は、この「新枢軸国」と日本の危機について解説して行きたい。日本にとっては「バカバカしい」都知事選よりイラン大統領選の方がはるかに重要であることがわかるだろう。