「愚策の女帝」による「太陽光パネル義務化」の失敗確率
『投機材としての「暗号資産」は2019年に死んでいた』では投機対象としての「暗号資産」がすでに終わっていたことを書いた。「投機」をわかりやすく言えば、馬券、舟券、車券、あるいはパチンコなどなどのギャンブルである。私がTwitterでこのことを指摘するたび、暗号資産ギャンブラー達から一斉にクソリプが飛んで来るのも日常茶飯事だった。
一部の暗号資産ギャンブラーたちは私を「詐欺師」とさえ呼んでいたが、どちらが詐欺師なのかが明らかになったのが2022年である。なぜなら、暗号資産の帝王と呼ばれたFTXの創業者サム・バンクマン=フリード氏は、2022年12月13日にアメリカ連邦地検から詐欺容疑など8つの罪で起訴されているからだ。
2020年3月からの未曾有の金融緩和で余ったマネーがなだれ込んだ結果、暗号資産の取引市場はバブル化した。「煽り屋」たちは常に「無知な個人」、すなわち「意識の高い情弱層」を養分にしようと誇大な言葉で「儲かる」を繰り返していた。
その頂点にいた一人がバンクマン=フリード氏だ。
前回の予告では「暗号資産の煽り屋」、すなわち「詐欺師」たちの行状を書く予定だった。だがトップにいたフリード氏の起訴で、行状については大半が済んだと私は考えている。「詐欺的であること」や「煽り」という意味で解説したいのが東京都知事の小池百合子氏を中心に決定された「新築住宅への太陽光パネルの設置義務化」である。
小池百合子氏公式HPより
これは暗号資産投資の構造と極めて似ているのだが、条例成立にあたって小池氏は、
「エネルギーは安全保障と同じように重要」
とぶち上げた。
「住宅に設置する太陽光パネル」はミクロのエネルギー供給で、マクロの「エネルギー政策」とはほど遠いところにある。それを国防と同列に考えるレベルの人間に環境大臣・防衛大臣を任せていたのだから、小泉純一郎政権というのはやはりろくでもない政権だったということだ。
首相官邸HPより
そもそもなのだが、太陽光パネル設置費用の回収はほぼ不可能だと私は考えている。にもかかわらず都民ファースト、公明党、共産党、立憲民主党などの賛成によって一方的に義務化された。党として反対したのは自民党のみである。
なぜこのようなことになったのか、なぜ回収できないのか、そして私なら「義務化後どうするのか」を含めて明らかにしたい。特に東京都以外の人たちが、こうした愚策にハマらないためにも、是非、読んで欲しい。