勃発!第5次中東戦争危機
増税メガネに教えたい「安全保障」の基本
前回の『「百田尚樹チャンネル」10月2日を誌上再現 私が日本保守党を推す理由』では「百田新党」の価値を解説した。モデルとしてわかりやすいのが2つの安倍政権である。
第一次安倍政権は「戦後レジュームの脱却」を掲げイデオロギー色を強調したがゆえに短命に終わる。第二次では「アベノミクス」という経済・金融政策を前面に押し出し「国政政党」であることを第一義にしたがゆえに長期政権となった。
まず日本保守党が目指すべきは「第一次安倍政権」だと私は考えている。
幸いにして百田尚樹氏も有本香氏も自分たちが「総理になれる」、「外交・安全保障を担える」などという大それたことを考えていない。その意味では「未来の総理」を自称して止まない前ポンコツ外相の林芳正氏や経済産業大臣の西村康稔氏よりはるかに優れていると私は評価している。
前回は旅先で実感した「日本保守党」に対する「熱」も紹介した。パレスチナのテロ組織「ハマス」がイスラエルを攻撃したのは、私が北海道から帰ってきた2023年10月7日のことだった。
700人以上の死者を出した攻撃に対して、イスラエル政府は「我々は戦争状態にある」と宣言。ハマスの背後にイランが存在していることからシリアを攻撃した。またイスラエル北部では、ヒズボラとの戦闘が散発的に起こっている。
まさに第5次中東戦争と呼ぶべき事態だ。
欧米主要国が即座に「ハマス」の攻撃を「テロ」と呼び批判を強める中、日本政府が「テロ」という言葉を使ったのは攻撃から5日も経った同月12日のことである。このタイムラグの背景にはエネルギー生産地である中東への気遣いがあるとしか思えない。
クルド人難民を自称するトルコ人が川口市を実効支配しつつある移民問題、エネルギーから中国による台湾侵攻まで「安全保障」は、現在、日本の大きな政治テーマだ。しかし岸田文雄総理は「安全保障」に無関心で「財政均衡」にしか興味がない。
無関心であるがゆえに「安全保障関連3文書改定」などを実行していると永田町の住民は口を揃える。
この「無関心」を実証したのが今回の「タイムラグ」だ。そもそもエネルギー安全保障を知らないとしか私には思えない。そこで中東で石油ビジネスを経験した私が「増税メガネ」に「エネルギー安全保障」を教えて差し上げようではないか。