USAID解体は一幕に過ぎない 就任1カ月でトランプが命じた重要政策36の進撃
前回は『地下社会視点で考察する「日枝久の冷たい暴力性」と「文春VSフジ バトルの行方」』を配信した。「テレビ」というビジネスモデルが崩壊する可能性を示したのが「中居正広‐フジテレビ問題」の本質だ。ヤマ場となるのが、2025年3月に予定されている第三者委員会の調査報告発表である。テレビの主収入源であるナショナルブランドクラスのクライアント企業は、この発表を受けて今後の対応を決めることになるだろう。
各企業の判断に大きな影響を与えるのが「外資」だ。金融の世界に推定無罪は存在しない。疑わしき者には罰が与えられるリスクがあるため、高い透明性が求められる。国際資本が入り組むグローバルな金融環境にあって、企業は簡単に「フジの味方」をすることはできない。
ゆえに第三者委員会の調査結果は、外資も納得できるレベルのものでなければならない。2025年2月13日現在フジテレビを観ると、ほぼ自社CMである。テレビ放送史初ともいえる異様な映像こそ、「テレビ」の暗い将来を示しているように見えるが……。

ということで、「中居‐フジ問題」はしばらく沈静化の流れだ。反対に激動しているのがドナルド・トランプ政権である。2025年2月11日にミュージシャンのGACKTさまが、
「トランプ大統領が解体した“USAID(アメリカ合衆国国際開発庁)”のポストがXで220万件近くトレンド入りしている。しかし、日本のメディアではほとんど報道されていない」
とご指摘なされた通りである。ホワイトハウスは、USAIDの悪行について、公式サイトで以下のように公表した。

有料部分ではこの和訳を掲載する。政府効率化省(DOGE)を率いるイーロン・マスク氏はUSAIDを「犯罪組織」と糾弾したのである。ところがUSAID解体は日本では、アメリカ民主党がリベラル政策を国際展開する時の資金源となっていたという「陰謀論」として伝わり、GACTさまが拍車をかけたこともあってSNSで話題になったのである。
実は、このトピックでさえトランプ進撃劇場の「たった一幕」に過ぎない。就任から間もなく1カ月を迎えようとしているが、トランプ氏は2025年2月14日時点で実に36もの重要政策について大統領令、行政命令、指示・命令を行っているのだ。その全ての概要、現状を一覧にして網羅する。「一覧」は図表の形で掲載するが、相当の情報量だ。その上で今さら質問できない「USAID解体問題」から整理して行こう。