ヘルプマークと拳銃〜 神戸殺傷「亀谷事件」③
交錯する「二つの闇」と桑田組長奪還プロジェクト
前回の『ヘルプマークと拳銃〜 神戸殺傷「亀谷事件」②』では、ヤクザと検察という「二つの闇」が交錯する瞬間を描いた。
中野会の銃殺により宅見勝若頭を失った五代目山口組にとって次代の若頭筆頭候補が三代目山健組・桑田兼吉組長だった。ところがアメリカの逆鱗に触れた桑田組長は約1年もの行動確認を経て逮捕されてしまう。「若頭不在」の危機に瀕した五代目山口組にとって、桑田組長の保釈・奪還は組織の至上命題だった。
そこに降って湧いたのが検察の裏金問題を実名告発しようとしていた大阪高検公安部長・三井環氏の「口封じ逮捕」だ。この逮捕劇の引き金を引いたのが、競売にかけられた組の施設を三井氏に奪われた亀谷直人氏だった。
不動産トラブルから生まれた「現職公安部長と暴力団」の奇妙なパイプ。そこに目をつけた山健組は前代未聞の「桑田組長奪還プロジェクト」を発案する。
「2億円保釈金事件」で亀谷氏が二代目侠友会・鶴城丈二会長を殺害した真相とは。
二代目佐藤組幹部として「2億円保釈金」に関わり、鶴城会長殺害事件の調査委員会にも直接参加した私だけが知る「五代目山口組秘史」が明かされる。
*交錯する「二つの闇」と桑田組長奪還プロジェクト
*ヘルプマークの肉声から始まる老ヒットマンの因果
*公安部長の「口封じ逮捕」が生んだ奇妙なパイプ
*「検事総長の裏金ネタで脅せば融通利くぞ」——三井環が仕掛けた罠
*「東京へ2億運ぶ」——佐藤組事務所の緊迫と私の危惧
*桑田組長の保釈を阻んだ「検事の意見」と「準抗告」の壁
*ホテルオークラへ運ばれた2億円と「ナカ抜き」の流儀
*突き返した「2000万円入りの革バッグ」と、Xデーの完全失敗
*「鶴城さんよ、どうすんの?」
*全面抗争の回避と、「絶縁」に待ったをかけた五代目山口組本家
*本家調査委員会が下した「シロ」の審判に、「死刑にしてくんなはれ」
*放免祝いの100万円を拒んだ男が貫いた、極道の「シロ」
*登場人物と時系列