ヘルプマークと拳銃〜 神戸殺傷「亀谷事件」②
抗争に翻弄され続けた「老ヒットマン」の軌跡
前回『ヘルプマークと拳銃〜 神戸殺傷「亀谷事件」①』は、2026年9月に神戸で射殺事件を起こした老ヒットマン・亀谷直人氏の数奇な運命をひもといた。
事件直前の「ヘルプマークをもらいに行く」という哀しき肉声。三代目時代の菅谷組解散から血塗られた山一抗争、五代目の内部紛争に至るまで、常に日本最大の広域組織・山口組の抗争に翻弄されながらも不器用なまでに極道を貫いた男の軌跡である。
日本最大の広域組織、山口組の歴史はこれまで万の単位でメディアに登場して擦られてきたが「亀谷直人」の極道人生を重ねることで、まったく違うものに映ることが書いた当事者の私の心を揺さぶった。
五代目体制を揺るがした宅見勝若頭暗殺事件と三代目山健組・桑田兼吉組長の逮捕。桑田組長の奪還という至上命題の前に現れたキーマンが「大阪高検公安部長・三井環」だ。
いよいよ亀谷氏が20年の懲役を背負うことになった「2億円保釈金事件」の底知れぬ闇に迫る。
わかりやすくするために、文末に【登場人物】と【時系列】を掲載した。
*動隊170人を動かした「アメリカの激怒」と山健組組長の逮捕
*跡目継承の絶対条件——五代目体制を揺るがす「若頭不在」
*「跡目」への最短・既定ルート
*エリート検事・三井環が抱いた「冷遇人事」への怨嗟
*怪文書から週刊誌リークへ——暴かれた「検察裏金」の闇
*実名告発の朝に動いた特捜部——「口封じ逮捕」の裏にいた亀谷直人
*競売にかけられた「組連絡所」と公安部長の危うい副業
*裏金要求、クラブ接待、前科照会……公安部長と企業舎弟の蜜月
*買い戻し交渉の決裂と、残された「ヤクザのメンツ」
*仕込まれた「逮捕ネタ」と、山健組が描いたウルトラC